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2006年7月13日 (木)

夜の散歩

歩くことが好きでときおりウオーキングと称しては二時間も歩いたりします。昼間はとても暑くなりました。これからは夜歩くのも楽しいです。でもあまりウオーキングらしくないのが自分流です、雨が降ってきたらポンと傘をさす、気分しだいで帰りは電車にのる、カフェーやブックオフへ寄り道。決まりなど何もないのがいいんです。それに普段電車にのる機会がない身には案外それが楽しみであったりします。先だっては久しぶりに夜の博多湾までいってみました。中原中也の「月夜の浜辺」を思い出したからです。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
 月に向かってそれは抛れず
 浪に向かってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?

『在りし日の歌』(昭和十三年四月)

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