DUVETICA
「季節の継ぎ目は、いつも興ふかい天候になる。これから来る季節ともう消えていこうとする季節が、往きつ戻りつ混じりあう。」 「季節はめぐっていくのだが、去るものは名残を惜しんで、ふり返りふり返りしながら行くように見えるし、来るものは去るものに遠慮して、どっと一度に押入ってくるようなまねはしないというように見え、そこが私には興ふかくおもえる。」
幸田文 『崩れ』(講談社) 昭和五十一年
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当時72歳のおばあさんの自然災害地ルポルタージュ。なぜ『崩れ』などとおよそ誰も見て歩きをしようなどとは思わないものに関心を持ったのか。ルポらしく淡々と書かれながらもところどころ出てくるしみじみと美しい日本語。この時期になるとなぜか思い出します。
閑話休題。
夜が長くなってきました。個人的にもいろいろと欲しい物があって、この買物は少し贅沢かな、でも今のうちにかっておくのが正解なのだろうか。あれこれ考え、悩ましくも楽しい秋のおしゃれ計画なのです。森 茉莉 『贅沢貧乏』は、私にとって明治生まれのおばあちゃんが、おしゃれに対するスタンスを教えてくれる手放せない「物差し」のような本です。
カーテン越しに優しくひたされるような月の光が差し込んできます。
晩夏。数日降り続いた雨あがり。今夜は見事なお月様です。
見ているのかそれとも見られているのか。
単なる月の光が不思議なパワーを秘めている。
昔の友達へ手紙を書きました。
ひと夜見し月ぞと思へば眺むれど心もゆかず目は空にして 和泉式部
孤独とか純粋さ。気がつくと忘れているもの。
月は魔法のちから。
ただ見ほれるようにぼんやりながめていました。